始まりは偽彼氏、でも本気の恋




「あそこには、親子のイルカもいるね」



「本当だ!まだ子どもは小さいね」



水槽の奥側で寄り添っているように泳いでいる2頭のイルカ。



明らかに1頭は小さくて、隣のイルカにくっついている。



紹介パネルを見ると、お母さんと娘らしい。



この解釈が合っているかは分からないけれど、子どもが甘えてお母さんが優しく相手をしているように見える。



遊んでほしくてかまってほしくてアピールをしている子どもに対して、仕方ないと言いながらもかまってくれるお母さん。



そんな普通の幸せな親子の姿に見えた。



.....それは私が一時の憧れを抱いて、もう捨て去ったもの。



人間じゃなくてもこんな幸せな光景になるなんだよね。



思わず泣きそうになって、光輝くんに気づかれないようにグッと唇を噛んだ。



こんな素敵な時間を台無しにしたくないから。