始まりは偽彼氏、でも本気の恋




1人でそんなことを悶々と考えていたその時



「──愛莉!」



私の名前を呼ぶ声が聞こえて、パッと顔を上げる。



たくさんの人がいる中で、その人はすぐに見つけられた。



「暑い中待たせてごめん!気分悪くなってない?」



「..........」



彼の声はしっかりと聞こえているはずなのに、頭の中を通り過ぎて抜けていく。



「愛莉?」



「....あっ、ごめん。そんなに待ってないから大丈夫だよ」



「....本当に?」



さっき反応が無かったからか、私の大丈夫を怪しんでいる光輝くん。



「本当!体調悪くなったらちゃんと言うから」



「....分かった。けど、絶対に無理はしないこと。いいね?」



「はい!」



元気よく返事をすると、光輝くんは安心したように頷いてくれる。