国の擬人化達との同居生活

「お客さん超ラッキー説出てるよ?俺がヘルプの日だから!あはは!」
韓国くんはお客さんの注文に答えながら元気に返していく。
「おー!良い雰囲気だなぁ!!」
しばらくしてお店のお手伝いをしていたら、背後から声がした。
振り返ると、そこにはゲーテくんが立っていた。今日は軍服じゃなくて私服を着ている。
「ったく、ミュンヘン空港から日本の空港まで遠かったぜ。あー、ねみ」
「僕もバンクーバーから来ました。時差ボケが酷いですわ、、、ふわぁ」
そして少し後ろから現れたカナダくん。二人は眠そうにあくびをする。
「いらっしゃーい!」
イタリアくんが明るく手を振ると、先に一般客として来ていた台湾くんが屋台の前に駆け寄る。
「やっと見つけた。あ、ジェラートはもう売り切れですか?」
「まだあるよ〜」
「良かった」
台湾くんはほっとしたように胸を撫で下ろす。
「じゃあ、このマンゴー味ください」
「うん。ちょっと待ってねー」
イタリアくんが慣れた手つきでジェラートを盛りながら、にこにこと笑う。
「お。あっちにソーセージ売ってるじゃねぇか!」
ゲーテくんが目を輝かせながら、フランクフルト屋に走って行った。
「さすがドイツくんだね。胃袋が先に行動してますよ、、、」
カナダくんが半分眠そうな目で笑いながら肩をすくめる。
「おーい!イギリス!ソーセージはどこ産だ!?」
「知るか!」
イギリスくんのツッコミ。
「プロイセン、少し騒がしいので声量を下げて下さい」
日本くんに注意されて、ゲーテくんは「すまねぇ!」と笑いながら、笑顔で財布を出す。その笑みは子供みたいだった。
「必殺!扇風機だぞ!」
アメリカくんが手持ち扇風機を使って、甘い匂いを道行くお客さんに風で送る。
「甘い香りに対抗ある!」
中国くんが烏龍(ウーロン)茶を紙コップに注いでいく。
「香りで癒されるあるよ〜」
「こっちはタイの伝統スイーツですよぉ」
「韓国の伝統スイーツも美味しい説出てるから!」
お客さん達は「可愛い!」「異国感がエグい!」と歓声を上げ、買った商品をスマホで撮っている。
私達の出店物は大好評だった。
そして、日が傾く頃。
屋台の前には『完売』の札が立てられた。
みんなで顔を見合わせる。
「、、、やったな」
「マリア様!今日は沢山お客さんが来ましたね!」
イタリアくんが私の手を握る。
「うん!楽しかった!!」
朝から慌ただしく動き回って、気付けばほとんど休憩も取ってなかったけど――そんな疲れも、今は全然感じない。
「思いの外、お客さんが来て嬉しかったですね」
「そうですね。あれだけあった在庫も全て空です」
日本くんの言葉に、アメリカくんが拳を突き上げる。
「イエーーーッ!!これぞチームワークなんだぞ!!」