国の擬人化達との同居生活

「、、、ん?」
テレビ画面の中、雪景色の中で笑顔を見せる青年が映った。
フード付きの赤いチェックシャツ、白いマフラー、手にはメープルシロップの瓶。
その瞬間―――後ろから声がした。
「あれ、もしかして僕のこと見ていました?」
振り向くと、そこにはテレビの中の彼とそっくりな人が立っていた。
ふわりと柔らかい金髪、メガネ越しに優しい瞳。
厚手のコートの裾から、雪の匂いがふわっと広がる。
「もしかして、、、カナダ、、、くん?」
「あ、覚えてくれてたんだ。うれしいな」
声は落ち着いているのに、どこかふとアメリカくんに似ている雰囲気だ。
「Hey兄弟!!」
その時、ゲームをしていたアメリカくんが嬉しそうにカナダくんに駆け寄る。
「やぁ兄弟」
カナダくんもアメリカくんに手を振り返す。
、、、兄弟!?
「兄弟なの!?」
カナダくんとアメリカくんはお互いの顔を見合わせ、同時に言った。
「「兄弟なのだよ!/ですわ!」」
わー、息ぴったり。
「僕達はどちらもイギリスからの独立国だからね。そういった意味では兄弟なんですわ」
「他にも兄弟は沢山いるんだぞ!オーストラリアとかインドとか」
兄弟の範囲、結構広いんだ、、、。
「カナダくん、やっぱり落ち着いてるね」
「え?カナダが落ち着いてる?そんな訳ないだろー」
アメリカくんがヘラりと笑う。私的にカナダは落ち着いている国民性かと思ってた。
アメリカ()のホワイトハウスを焼き払った過去があるんだぞ!」
コートを脱いでいるカナダくんを見やる。相変わらずニコニコと人当たりの良い笑顔を浮かべていた。
「もー、僕の印象が低くなったですわ。それに、あれはイギリス軍が焼き払ったので僕は悪くないですわ。あと僕に威張り散らすの止めろよ!それに僕を君の一つの州にするだって?冗談じゃない!!」
「スミマセンデシタ!」
あ、アメリカくんが涙目で謝った。カナダくん、強い、、、。
「か、カナダが怒ると怖いんだぞ、、、アザラシにされるんだぞ」
、、、は、今なんて?
「アザラシ!?」
「うん。ほら、北極圏に近いからね。そういう時は漁の道具もあるからね」
カナダくんはにこやかに言った。
「冗談じゃないんだぞ、、、」
アメリカくんがクッションを盾にして震えてる。
いつも強気なアメリカくんがここまで怖がるなんて一体、、、。
「まぁ、そういうことは滅多にないですわ。滅多に、ね」
柔らかい笑顔のまま、ちょうどマンゴーを摘んでいた台湾くんにお土産としてメープル瓶を手渡した。
その瓶の中身が血の色に見えたのは、きっと気のせい、、、だよね?

カナダくんは持ってきたありったけの瓶をテーブルに置いた。
中には琥珀色のとろりとした液体。光を受けてきらきら輝いている。
「これ、スクールフェスティバルで使えたらいいなと思って。パンケーキとか、クッキーにも合うし」
「え、それめっちゃ良いじゃん!」と思わず身を乗り出す私。
「さすがカナダ!」
「昨日アメリカが夜中に『スクールフェスティバルで出店するからカナダの有名なもの持ってきてほしいんだぞ!!』って電話かけてきてね。いやぁ、本当に迷惑だったよ」
「他の国にも聞いてみるんだぞ!」
その時、別室から怒声が響いた。
「おめーら!誰が材料で予算を全部使えって教えたあるか!!特に日本!我を抜いたらお前が一番年上なのに、みんなを止めずに悪ふざけしていたあるか!」
「、、、確かに悪ふざけにノってしまった自覚はあります。スーパーで騒いでしまい、他のお客さんの迷惑になってしまったことは心から謝罪します。ですが、今まで悪ふざけをしたことない人以外から非難を受けるつもりはありません」
「こいつ、、、キリスト理論を持ち出しやがった」
「とにかく、これからはスーパーで騒ぐなある!!」
どうやら中国くんの説教はまだ続いているらしい。