主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜

「私がいなくなったことで、事実上ペルペトゥスの後継者は皇子一人に。
そんな彼と婚約した皇女……。二人とも、未来の絶対的な地位を確約されたわけですね」
「――ああ、まるで二人そろって“主人公”だな」

その言葉に、ぞくりとした。

侵略者は、どちらか――

「ユーリは、どちらが“侵略者”だと思いますか?」
「さあな。知らね。どっちかなんて決める必要あるか?
邪魔なら――二人とも、消すだけだ」

あまりに乱暴な物言いに、私は小さく息を飲む。

けれど、内心では否定しきれなかった。
どちらか一人、もしくは両方が、侵略者である可能性。

左から右へと聞き流すようにしながらも、私はあのときの会話を思い出していた。

アルビオン殿下の、あのまっすぐな眼差し。
誰かを、心から思いやろうとする優しさ。

――あんなふうに人を思える彼が、誰かの人生を踏みにじるなんて、思えない。

けれど。

もし、本当に彼が侵略者だとしたら――

そこまで考えて、胸の奥が、痛んだ。