主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜

「諦めてください。エクエスはもう私の“騎士”なんです」
「ったく、冗談じゃねえ……」

肩をすくめながらも、ユーリは視線を逸らす。

「……まあ、牙はある。んでその髪と目……レフレクシオ寄りの混血か。
殺すために生きてきた目だな。手荒く使えば、それなりに役に立つかも」
「俺は、守るために使う。それを教えてくれたのが――この人だ」

エクエスの言葉に、私はわずかに目を見開き、そして頷いた。

ユーリはしばし沈黙し――やがて、諦めたようにため息をつく。

「……はいはい。じゃあ、決まりだな。俺は情報を。お前は未来を。そしてそいつは――牙を。ったく、変なメンバーになっちまった」

その言葉に、エクエスの指先がかすかに震えた。
でもその震えを、彼は力で押し留める。
自分には居場所があるのだと、証明するように。

そして――その小さな唇が、かすかに微笑んだ。

それはきっと、誰も気づかないくらい淡い笑み。
でも、彼の人生ではじめて生まれた、“選ばれた者の顔”だった。