主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜

「どうしてここに……? 何をしに来たんですか?」
「アドラティオ国王の命で、お前を始末しに来た」
「……テネブラエ王家の私を始末すれば、いくら殿下と言えど、ただでは済みませんよ」
「そんなこと、わかってるさ。でも俺は生き残ってやる」

一国の王族が他国の王族を狙うこと――それは、たとえ王命であろうと重罪だ。

書き換えられた物語の中で、元の主人公と男主人公を一度に消せる方法だった。

彼もまた、この“物語”の犠牲者だ。だからこそ、ここで殺されるわけにはいかない。

私のためにも、彼のためにも。

「……殿下は、アドラティオ王家固有の光魔法が使える王太子候補ですよね?何故陛下は国にとって大事なはずの貴方にこんな任務を?」
「それは、前の話だろ?」
「……前?」

その言葉に、胸の奥がざわつく。
“前”――それは、私にも覚えがある。

「信じるかどうかは知らないが……俺は、ある日“反逆の首謀者”として処刑された。身に覚えのないまま。そして目が覚めたら、八年前に戻ってた。そこで変な生き物が言うんだ。『お前は本来、優しくて理想的な王子様で、神聖国の皇女と恋に落ちるはずだった』ってな」

言葉を失った。

「……ハルモニアと会ったんですか?」
「ああ。あいつ、そんな名前だったな」