「こちらは私から。筆記具よ」
ミネルヴァがそっと渡してくれたのは、銀と黒の優美な万年筆だった。
小さな手には少し大きいけれど、書きやすいように軽く仕上げてある。
「学びの道を歩む貴女に、ふさわしいものをと思って」
「……ありがとう。これでたくさん勉学に励むわ」
「そして最後に、私たちからも」
ルディ様と叔父様が視線を交わし、頷き合う。
ルディ様が持っていた小箱を開けると、中には――
「……ネックレス?」
「ええ。フォルトゥナ様がお気に入りだった宝石と同じ石を使ってあるの。ほんの少しだけ、貴女に似ている気がしたから」
ネックレスの中央には、紫にきらめく小さな宝石があしらわれていた。
「お前がそれを身につけていれば、姉上もきっと心休まるだろう」
叔父様の言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
「……ありがとうございます。本当に……ありがとう」
その光景を、皆が静かに見守っていた。
やがてルディ様が、優しく声をかける。
「フォルトゥナ様も、今日この場にいれば、昔のように微笑んでいたでしょうね。……でも、貴女がここで、生きていること。それが何よりの贈り物よ」
叔父様もまた、ゆっくりと口を開いた。
「お前が笑えるなら、それでいい。……この王宮は、すでに“お前の家”だからな」
その言葉に、胸の奥が温かくなった。
家族の輪の中に、自分がいる。
それがどんなに幸福なことか、ようやく理解できた気がした。
ディアがそっと一歩近づく。
「ラティ。これからも、何かあったら言ってね。貴方は……一人じゃないのよ」
静かな声だった。けれどその言葉は、確かに心の奥に届いた。
今日、私は確かに――「生まれてきてよかった」と思えた。
ミネルヴァがそっと渡してくれたのは、銀と黒の優美な万年筆だった。
小さな手には少し大きいけれど、書きやすいように軽く仕上げてある。
「学びの道を歩む貴女に、ふさわしいものをと思って」
「……ありがとう。これでたくさん勉学に励むわ」
「そして最後に、私たちからも」
ルディ様と叔父様が視線を交わし、頷き合う。
ルディ様が持っていた小箱を開けると、中には――
「……ネックレス?」
「ええ。フォルトゥナ様がお気に入りだった宝石と同じ石を使ってあるの。ほんの少しだけ、貴女に似ている気がしたから」
ネックレスの中央には、紫にきらめく小さな宝石があしらわれていた。
「お前がそれを身につけていれば、姉上もきっと心休まるだろう」
叔父様の言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
「……ありがとうございます。本当に……ありがとう」
その光景を、皆が静かに見守っていた。
やがてルディ様が、優しく声をかける。
「フォルトゥナ様も、今日この場にいれば、昔のように微笑んでいたでしょうね。……でも、貴女がここで、生きていること。それが何よりの贈り物よ」
叔父様もまた、ゆっくりと口を開いた。
「お前が笑えるなら、それでいい。……この王宮は、すでに“お前の家”だからな」
その言葉に、胸の奥が温かくなった。
家族の輪の中に、自分がいる。
それがどんなに幸福なことか、ようやく理解できた気がした。
ディアがそっと一歩近づく。
「ラティ。これからも、何かあったら言ってね。貴方は……一人じゃないのよ」
静かな声だった。けれどその言葉は、確かに心の奥に届いた。
今日、私は確かに――「生まれてきてよかった」と思えた。

