私達の間にある“真実”は、まだ誰にも分からない。
けれど、この静かな共鳴だけが、確かに私たちの孤独をそっとつないでいた。
風がふわりと、白百合の香りを運んでゆく。アルビオン殿下は、それに気づいたように顔を上げた。
「……そろそろ、戻らないといけないな」
「……そうですね。お引き留めしてしまって、すみません」
「いや、ここへ来たのは俺の方だ。……話せてよかった。少し、気が楽になった気がする」
アルビオン殿下はそう言って、ゆっくりと立ち上がった。その動作のすべてが、どこか優雅で静かだった。
私も立ち上がろうとして――けれど、彼の手がかすかに震えていることに気づいて、そっと目を伏せる。
(この人も、迷いの中にいる。私と同じように――)
「また……どこかで、お会いできるといいですね」
私のその言葉に、彼は一瞬だけ驚いたように瞬きをして――すぐ、微笑を浮かべた。
「ああ。……また」
短いその言葉を残し、アルビオン殿下は礼拝堂の方へと歩き出した。白い髪が陽の光の中で揺れ、その背に影が落ちていく。
私はその姿が見えなくなるまで、ただ静かに立ち尽くしていた。
(また、ね……)
そっと白百合を手に取り、ベンチに置かれた一輪を、母のために祈るように見つめた。
けれど、この静かな共鳴だけが、確かに私たちの孤独をそっとつないでいた。
風がふわりと、白百合の香りを運んでゆく。アルビオン殿下は、それに気づいたように顔を上げた。
「……そろそろ、戻らないといけないな」
「……そうですね。お引き留めしてしまって、すみません」
「いや、ここへ来たのは俺の方だ。……話せてよかった。少し、気が楽になった気がする」
アルビオン殿下はそう言って、ゆっくりと立ち上がった。その動作のすべてが、どこか優雅で静かだった。
私も立ち上がろうとして――けれど、彼の手がかすかに震えていることに気づいて、そっと目を伏せる。
(この人も、迷いの中にいる。私と同じように――)
「また……どこかで、お会いできるといいですね」
私のその言葉に、彼は一瞬だけ驚いたように瞬きをして――すぐ、微笑を浮かべた。
「ああ。……また」
短いその言葉を残し、アルビオン殿下は礼拝堂の方へと歩き出した。白い髪が陽の光の中で揺れ、その背に影が落ちていく。
私はその姿が見えなくなるまで、ただ静かに立ち尽くしていた。
(また、ね……)
そっと白百合を手に取り、ベンチに置かれた一輪を、母のために祈るように見つめた。

