「無礼は承知だが、家族の再会を邪魔されて腹が立ってしまってな。ここまで来させてもらった」
「シムラクルム……何のつもりだ?」
「言っただろう。家族に会いに来たと。だが、今この状況を見る限り――『何のつもりか』聞かれるべきは、こちらじゃなくお前だろう、イニティウム」
叔父様は血を流して倒れているお母様と、刃を突きつけられている私を見比べ、険しい表情で眉間に皺を寄せた。
「俺の姉と姪に、いったい何をしている」
その声音には怒りと冷気が混じっていた。
アエテルニタス随一の魔法士とされる叔父様の放つ威圧に、第一王妃殿下、アウローラ殿下、イグニス殿下は一歩退いた。
けれど叔父様にはその鋭さの中にも、どこか優しさがあった。だから私は、初めて会うはずなのに、叔父様を怖いと思えなかった。
「……これはアドラティオ王家内の問題だ。部外者が口を出すべきではない」
「部外者? 俺は、お前が殺したフォルトゥナの弟であり――お前が今、剣を向けているラエティティアの叔父だぞ」
「で、ですが……シムラクルム陛下、何の知らせもなく突然来られるのは非常識ではなくて?」
「連絡は姉としていた。まさか“姉と姪に会いに行く”と書いた便りが謀反だと疑われるとは思わなかったがな。……何が反逆だ? 馬鹿馬鹿しい」
陛下は叔父様のその言葉にしぶしぶ剣を引き、叔父様を睨みつけた。
「……で、目的は何だ。会いに来ただけではあるまい?」
「話が早くて助かるな」
「シムラクルム……何のつもりだ?」
「言っただろう。家族に会いに来たと。だが、今この状況を見る限り――『何のつもりか』聞かれるべきは、こちらじゃなくお前だろう、イニティウム」
叔父様は血を流して倒れているお母様と、刃を突きつけられている私を見比べ、険しい表情で眉間に皺を寄せた。
「俺の姉と姪に、いったい何をしている」
その声音には怒りと冷気が混じっていた。
アエテルニタス随一の魔法士とされる叔父様の放つ威圧に、第一王妃殿下、アウローラ殿下、イグニス殿下は一歩退いた。
けれど叔父様にはその鋭さの中にも、どこか優しさがあった。だから私は、初めて会うはずなのに、叔父様を怖いと思えなかった。
「……これはアドラティオ王家内の問題だ。部外者が口を出すべきではない」
「部外者? 俺は、お前が殺したフォルトゥナの弟であり――お前が今、剣を向けているラエティティアの叔父だぞ」
「で、ですが……シムラクルム陛下、何の知らせもなく突然来られるのは非常識ではなくて?」
「連絡は姉としていた。まさか“姉と姪に会いに行く”と書いた便りが謀反だと疑われるとは思わなかったがな。……何が反逆だ? 馬鹿馬鹿しい」
陛下は叔父様のその言葉にしぶしぶ剣を引き、叔父様を睨みつけた。
「……で、目的は何だ。会いに来ただけではあるまい?」
「話が早くて助かるな」

