テネブラエ王国では五年前に国王の代替わりがあり、お母様が売られる原因となった天災の傷跡も、今ではすっかり癒えている。
だが問題は、どうすれば私たちを保護してもらえるか、だ。
私はまだしも、王妃であるお母様を実家とはいえ無断で連れ帰ることなどできない。
こちらから連絡を取ろうにも、私たちの行動はアドラティオ王室に厳しく管理されていて、通信手段もない。
「……テネブラエに、どうやって連絡すれば……」
「何か用でもあった?」
「お母様?!」
耳元で突然声がして、私は思わず肩を跳ねさせた。
振り返ると、そこにはいつの間にか立っていたお母様の姿があった。
「驚かせちゃった?ふふ、ごめんなさいね。でもラティったら、ノックしても声をかけても全然反応しないんですもの」
どうやら私は、母の気配に気づかないほど考え込んでいたらしい。慌てて立ち上がり、ソファへとお母様を案内する。
「あら、それじゃあ遠慮なく」
「お母様……体調は、大丈夫?」
「元気よ。ラティの顔が見られたから、もっと元気になっちゃったわ」
だが問題は、どうすれば私たちを保護してもらえるか、だ。
私はまだしも、王妃であるお母様を実家とはいえ無断で連れ帰ることなどできない。
こちらから連絡を取ろうにも、私たちの行動はアドラティオ王室に厳しく管理されていて、通信手段もない。
「……テネブラエに、どうやって連絡すれば……」
「何か用でもあった?」
「お母様?!」
耳元で突然声がして、私は思わず肩を跳ねさせた。
振り返ると、そこにはいつの間にか立っていたお母様の姿があった。
「驚かせちゃった?ふふ、ごめんなさいね。でもラティったら、ノックしても声をかけても全然反応しないんですもの」
どうやら私は、母の気配に気づかないほど考え込んでいたらしい。慌てて立ち上がり、ソファへとお母様を案内する。
「あら、それじゃあ遠慮なく」
「お母様……体調は、大丈夫?」
「元気よ。ラティの顔が見られたから、もっと元気になっちゃったわ」

