〇大学構内・春の昼休み・キャンパス中央の芝生広場
各ペアで中間プレゼンを終えた後、メンバーたちは自由時間。
円形のベンチにゼミの仲間たちが集まって、昼食を取りながらわいわい話している。
咲子「いや~、みんなすごいねー!うちのペア、正直“光るだけ”だったのにさ~」
拓海「いや、あれ良かったよ。“玄関が声かけてくれる”って、子どもとかにも嬉しいだろうし」
はるな(そっと笑って)
「……咲子ちゃんの声、元気になるもんね」
咲子「おー!それ褒めたー!?ありがとう、先生っ!」
幸輝「他のチームの案、まとめてレポート化すべきかもしれない。今後の参考になる」
渚「……やりたきゃ、やれば?」
里紗「それを“やる”か“やらない”かって、なんでいつも“正しいかどうか”で決めるんだろうね?」
俊輔「……それは、研究というものが“正解”を追う営みだからじゃないか」
祐貴(窓枠に寄りかかりながら)
「“正解”なんて、つまらないけどな。創作って、矛盾してる方が面白いよ」
〇同・芝生広場の一角・瑠璃と智貴は、二人で並んで座っている
瑠璃「ねぇ、ちょっと思いついちゃったんだけど、聞く?」
智貴「……言う前に断られたのは初めてだ」
瑠璃「ま、いつものことだけど。……あのね、“未来の暮らし”って、室内にとどまる必要ないと思うの」
智貴「どういうことだ?」
瑠璃「……いっそ、ゼミで“未来の暮らしの一日”をやってみない?」
智貴「……再現実験、という意味か?」
瑠璃「ちがう。“仮想住人”になるの。キャンパスの一角に“未来の部屋”を組み立てて、24時間、その中で暮らしてみるの」
智貴「……設営、人員、スケジュール、安全確認……課題が多すぎる」
瑠璃「だから、“やってみたい”んだよ」
智貴「合理性がない」
瑠璃「うん。でも、やりたい」
智貴「……話にならない」
瑠璃「いつもそうやって、止める側に回るのって、疲れない?」
智貴「止めることに意味があるからだ」
瑠璃「でも、全部が全部、止めたら――何も始まらないよ?」
〇ゼミ教室・数日後の作戦会議
瑠璃が前に立ち、ホワイトボードに図を描いている。
“キャンパス内に未来の一室をつくる”という大胆すぎる企画。
瑠璃「これが“未来の一日体験ルーム”の設計案です。
カメラとセンサーを仕込んで、心理的変化と生活動線をトラッキングする設計にしたいと思ってます」
川口「……マジで言ってる?」
智貴(メモを見ながら、やや困惑気味に)
「この規模の設営、現実的には……」
瑠璃「不可能じゃないよ。“やったことがない”だけで、必要な技術はもう揃ってる」
川口(苦笑)
「……ぶっ飛んでる。でも、通せるかもな。
この企画通ったら、うちのゼミの名前、一気に全国区になるぞ」
拓海「おもしろそう……やろうよ、俺、組み立てとか得意だし」
咲子「わー、なんかテンション上がってきたー!」
はるな「ちょ、ちょっと待って……そんな大がかりなこと、ほんとにできるの?」
渚「……まあ、協力体制が整えば、可能性はゼロじゃないけど」
幸輝「予算と許可が取れれば、工期と要員は……ギリ足りるか」
俊輔「僕はリスク管理とトラブル時のシナリオを練る」
祐貴「俺は、デザイン的に少し手伝えるかも」
川口(ニヤリ)
「……やる気、出てきたな、みんな」
〇瑠璃と智貴・教室の隅で二人だけの会話
智貴「……どうして、そこまで無理をする?」
瑠璃「“無理”って、やってみないとわかんないよ」
智貴「無駄かもしれない」
瑠璃「でも、“やった”って記憶は残るじゃん。未来に行くためには、今やるしかないでしょ?」
智貴(しばらく沈黙し、視線を逸らしながら)
「……了解。参加する。反対は……もう、しない」
瑠璃(にこりと)
「わーい!仲間入り、ありがと」
智貴「……表現が子どもっぽい」
瑠璃「じゃあ、“同士”って言ってあげよっか?」
智貴「やめろ」
〇キャンパス裏・ゼミ有志による設営シーン(昼)
空きスペースにブルーシートを敷き、材木や配線材が次々と運び込まれる。
学生たちが手分けして壁を組み立て、基礎を固定していく。
咲子「よいしょーっ!運ぶのは任せて!」
拓海「段差注意!こっち、固定し終わった!」
はるな「トンカチって、こんなに手が痛くなるんだ……」
祐貴「美術館の展示施工より大変かも……」
川口(腕を組みながら眺める)
「おお、ほんとにやってる……ゼミが建設現場だ……」
〇室内部分の組み立て作業中・智貴と幸輝がパネルを固定している
智貴「この面、数ミリ歪んでる。ボルト、調整」
幸輝「把握。6番工具、貸す」
智貴「ありがとう」
幸輝「君、手際いいな。DIY経験あるのか?」
智貴「ない。ただ、図面と手順が頭に入ってるだけだ」
幸輝「……正確に動ける人間は、信頼できる」
智貴「君も、そういうタイプに見える」
幸輝「……光栄だ」
〇夕方・照明取り付け中・瑠璃が梯子に登ってLEDを配置
瑠璃「ふんふんふ〜ん♪」
渚(下から)
「おい、片手でネジ回すな。落ちるぞ」
瑠璃「だいじょーぶー、落ちないよ」
渚「落ちるかどうかじゃなくて、“安全な行動をとる”ことが重要なんだよ」
瑠璃「はーい、気をつけまーす」
渚「まったく……子どもかよ」
瑠璃(ひとりごとのように)
「……大人になるって、“冒険”しなくなることなのかもね」
渚「何か言った?」
瑠璃「なんでもなーい!」
〇夜・仮設ルームの完成披露・照明点灯の瞬間
スイッチが押され、室内の天井に設置された“感情ライト”がふんわりと発光する。
照度センサーが反応し、足元に柔らかい灯りが広がる。
咲子「わあ~~っ、超きれい!」
俊輔「センサー反応、タイミングも想定どおり。実用レベルだ」
川口(驚愕)
「マジかよ……学生だけでここまでやるとは……」
智貴(淡々と)
「構造はシンプル。誰でもできる。――“やろう”と思えば」
川口「それが一番、むずかしいんだよ」
〇その夜・仮設ルームの外・ベンチに座る智貴と瑠璃
静かな空間。作業終わりの二人。
背もたれに預け、少し肩が触れそうな距離感。
瑠璃「やってよかった。……すっごく疲れたけど」
智貴「結果が出てから言うことだ。まだ何も評価されていない」
瑠璃「でも、“やった”っていう感触はあるじゃん」
智貴(しばらく沈黙して)
「……それは、認める」
瑠璃(にやっとして)
「ふふ、ほんと素直じゃないよね」
智貴「……別に、否定はしていない」
〇翌日・仮設ルーム・初の実験運用日(朝)
「未来の暮らしを体験する」24時間実証実験がスタート。
ゼミ生たちが時間交代制で「未来住人」として仮設ルームに滞在する。
カメラ、照明、センサー、AIぬいぐるみ、音声デバイス、香りの拡散機など、
すべて学生たちが連携して動作テストをしながらの本番。
川口(別室でモニターチェック)
「……おお、想像以上にちゃんと動いてるな」
瑠璃(通信越し)
「“なんとなく落ち着く空間”を目指してるので、居心地重視で見てください!」
〇ルーム内部・最初の住人は啓太
啓太(ぬいぐるみに話しかける)
「おはよう。って、えーと……あ、これでいいの?」
ぬいぐるみ(自動応答)
「おはようございます。よく眠れましたか?」
啓太「うおっ……返ってきた。けど……」
啓太(少し間をおいて、ぽつり)
「……こういうの、ほんとに一人暮らしだった時にあったら、助かったかもな」
〇その後、次々と住人が交代する
渚「センサー、足元反応良好。照明変化、問題なし」
幸輝「天井配線の通電、再確認。継続運転、可能」
はるな(ソファで一息つきながら)
「……ひとりでも、だれかに見守られてるって思える空間って、安心する……」
〇夕方・見学に来た他ゼミの教授や外部講師たち
川口(誇らしげに説明)
「学生が設計・施工・運用まですべてやりました。予算はゼロに近いけど、完成度は高いです」
他ゼミ講師A「いや、ほんとにこの照明演出……大学生がやったの?すごいな」
他ゼミ教授B「こういう“空間そのものをデザインする力”って、社会に出た後も通用しますよ」
瑠璃(背後で控えて聞いている)
(よかった……“やってみたい”って、言ってよかった)
〇夜・最後の住人として、智貴がルームに入る
室内はほのかな橙色の灯り。香りのディフューザーがゆっくり揺れている。
智貴(静かにソファに腰を下ろし、ぬいぐるみに視線を向ける)
ぬいぐるみ(優しい声)
「今日も一日、おつかれさまでした」
智貴(しばらく黙ってから)
「……君の声も、“無駄”だったかもしれない。
でも、無駄の中に“意味”があるなら――悪くないと思う」
彼は静かに目を閉じる。
〇外・仮設ルームを遠くから眺める瑠璃
瑠璃(モノローグ)
「無茶だって、言われた。無駄だって、思われた。
でも私は、やってみたかった。
それが誰かの記憶に残るなら――
“間違ってなかった”って、思える気がする」
風に髪が揺れ、ふっと小さく笑う瑠璃。
〇エンドカット・夜空に浮かぶ“未来の部屋”のやさしい灯り
タイトルロゴ:
『となりの研究室で、きみと。』
【To be continued...】
各ペアで中間プレゼンを終えた後、メンバーたちは自由時間。
円形のベンチにゼミの仲間たちが集まって、昼食を取りながらわいわい話している。
咲子「いや~、みんなすごいねー!うちのペア、正直“光るだけ”だったのにさ~」
拓海「いや、あれ良かったよ。“玄関が声かけてくれる”って、子どもとかにも嬉しいだろうし」
はるな(そっと笑って)
「……咲子ちゃんの声、元気になるもんね」
咲子「おー!それ褒めたー!?ありがとう、先生っ!」
幸輝「他のチームの案、まとめてレポート化すべきかもしれない。今後の参考になる」
渚「……やりたきゃ、やれば?」
里紗「それを“やる”か“やらない”かって、なんでいつも“正しいかどうか”で決めるんだろうね?」
俊輔「……それは、研究というものが“正解”を追う営みだからじゃないか」
祐貴(窓枠に寄りかかりながら)
「“正解”なんて、つまらないけどな。創作って、矛盾してる方が面白いよ」
〇同・芝生広場の一角・瑠璃と智貴は、二人で並んで座っている
瑠璃「ねぇ、ちょっと思いついちゃったんだけど、聞く?」
智貴「……言う前に断られたのは初めてだ」
瑠璃「ま、いつものことだけど。……あのね、“未来の暮らし”って、室内にとどまる必要ないと思うの」
智貴「どういうことだ?」
瑠璃「……いっそ、ゼミで“未来の暮らしの一日”をやってみない?」
智貴「……再現実験、という意味か?」
瑠璃「ちがう。“仮想住人”になるの。キャンパスの一角に“未来の部屋”を組み立てて、24時間、その中で暮らしてみるの」
智貴「……設営、人員、スケジュール、安全確認……課題が多すぎる」
瑠璃「だから、“やってみたい”んだよ」
智貴「合理性がない」
瑠璃「うん。でも、やりたい」
智貴「……話にならない」
瑠璃「いつもそうやって、止める側に回るのって、疲れない?」
智貴「止めることに意味があるからだ」
瑠璃「でも、全部が全部、止めたら――何も始まらないよ?」
〇ゼミ教室・数日後の作戦会議
瑠璃が前に立ち、ホワイトボードに図を描いている。
“キャンパス内に未来の一室をつくる”という大胆すぎる企画。
瑠璃「これが“未来の一日体験ルーム”の設計案です。
カメラとセンサーを仕込んで、心理的変化と生活動線をトラッキングする設計にしたいと思ってます」
川口「……マジで言ってる?」
智貴(メモを見ながら、やや困惑気味に)
「この規模の設営、現実的には……」
瑠璃「不可能じゃないよ。“やったことがない”だけで、必要な技術はもう揃ってる」
川口(苦笑)
「……ぶっ飛んでる。でも、通せるかもな。
この企画通ったら、うちのゼミの名前、一気に全国区になるぞ」
拓海「おもしろそう……やろうよ、俺、組み立てとか得意だし」
咲子「わー、なんかテンション上がってきたー!」
はるな「ちょ、ちょっと待って……そんな大がかりなこと、ほんとにできるの?」
渚「……まあ、協力体制が整えば、可能性はゼロじゃないけど」
幸輝「予算と許可が取れれば、工期と要員は……ギリ足りるか」
俊輔「僕はリスク管理とトラブル時のシナリオを練る」
祐貴「俺は、デザイン的に少し手伝えるかも」
川口(ニヤリ)
「……やる気、出てきたな、みんな」
〇瑠璃と智貴・教室の隅で二人だけの会話
智貴「……どうして、そこまで無理をする?」
瑠璃「“無理”って、やってみないとわかんないよ」
智貴「無駄かもしれない」
瑠璃「でも、“やった”って記憶は残るじゃん。未来に行くためには、今やるしかないでしょ?」
智貴(しばらく沈黙し、視線を逸らしながら)
「……了解。参加する。反対は……もう、しない」
瑠璃(にこりと)
「わーい!仲間入り、ありがと」
智貴「……表現が子どもっぽい」
瑠璃「じゃあ、“同士”って言ってあげよっか?」
智貴「やめろ」
〇キャンパス裏・ゼミ有志による設営シーン(昼)
空きスペースにブルーシートを敷き、材木や配線材が次々と運び込まれる。
学生たちが手分けして壁を組み立て、基礎を固定していく。
咲子「よいしょーっ!運ぶのは任せて!」
拓海「段差注意!こっち、固定し終わった!」
はるな「トンカチって、こんなに手が痛くなるんだ……」
祐貴「美術館の展示施工より大変かも……」
川口(腕を組みながら眺める)
「おお、ほんとにやってる……ゼミが建設現場だ……」
〇室内部分の組み立て作業中・智貴と幸輝がパネルを固定している
智貴「この面、数ミリ歪んでる。ボルト、調整」
幸輝「把握。6番工具、貸す」
智貴「ありがとう」
幸輝「君、手際いいな。DIY経験あるのか?」
智貴「ない。ただ、図面と手順が頭に入ってるだけだ」
幸輝「……正確に動ける人間は、信頼できる」
智貴「君も、そういうタイプに見える」
幸輝「……光栄だ」
〇夕方・照明取り付け中・瑠璃が梯子に登ってLEDを配置
瑠璃「ふんふんふ〜ん♪」
渚(下から)
「おい、片手でネジ回すな。落ちるぞ」
瑠璃「だいじょーぶー、落ちないよ」
渚「落ちるかどうかじゃなくて、“安全な行動をとる”ことが重要なんだよ」
瑠璃「はーい、気をつけまーす」
渚「まったく……子どもかよ」
瑠璃(ひとりごとのように)
「……大人になるって、“冒険”しなくなることなのかもね」
渚「何か言った?」
瑠璃「なんでもなーい!」
〇夜・仮設ルームの完成披露・照明点灯の瞬間
スイッチが押され、室内の天井に設置された“感情ライト”がふんわりと発光する。
照度センサーが反応し、足元に柔らかい灯りが広がる。
咲子「わあ~~っ、超きれい!」
俊輔「センサー反応、タイミングも想定どおり。実用レベルだ」
川口(驚愕)
「マジかよ……学生だけでここまでやるとは……」
智貴(淡々と)
「構造はシンプル。誰でもできる。――“やろう”と思えば」
川口「それが一番、むずかしいんだよ」
〇その夜・仮設ルームの外・ベンチに座る智貴と瑠璃
静かな空間。作業終わりの二人。
背もたれに預け、少し肩が触れそうな距離感。
瑠璃「やってよかった。……すっごく疲れたけど」
智貴「結果が出てから言うことだ。まだ何も評価されていない」
瑠璃「でも、“やった”っていう感触はあるじゃん」
智貴(しばらく沈黙して)
「……それは、認める」
瑠璃(にやっとして)
「ふふ、ほんと素直じゃないよね」
智貴「……別に、否定はしていない」
〇翌日・仮設ルーム・初の実験運用日(朝)
「未来の暮らしを体験する」24時間実証実験がスタート。
ゼミ生たちが時間交代制で「未来住人」として仮設ルームに滞在する。
カメラ、照明、センサー、AIぬいぐるみ、音声デバイス、香りの拡散機など、
すべて学生たちが連携して動作テストをしながらの本番。
川口(別室でモニターチェック)
「……おお、想像以上にちゃんと動いてるな」
瑠璃(通信越し)
「“なんとなく落ち着く空間”を目指してるので、居心地重視で見てください!」
〇ルーム内部・最初の住人は啓太
啓太(ぬいぐるみに話しかける)
「おはよう。って、えーと……あ、これでいいの?」
ぬいぐるみ(自動応答)
「おはようございます。よく眠れましたか?」
啓太「うおっ……返ってきた。けど……」
啓太(少し間をおいて、ぽつり)
「……こういうの、ほんとに一人暮らしだった時にあったら、助かったかもな」
〇その後、次々と住人が交代する
渚「センサー、足元反応良好。照明変化、問題なし」
幸輝「天井配線の通電、再確認。継続運転、可能」
はるな(ソファで一息つきながら)
「……ひとりでも、だれかに見守られてるって思える空間って、安心する……」
〇夕方・見学に来た他ゼミの教授や外部講師たち
川口(誇らしげに説明)
「学生が設計・施工・運用まですべてやりました。予算はゼロに近いけど、完成度は高いです」
他ゼミ講師A「いや、ほんとにこの照明演出……大学生がやったの?すごいな」
他ゼミ教授B「こういう“空間そのものをデザインする力”って、社会に出た後も通用しますよ」
瑠璃(背後で控えて聞いている)
(よかった……“やってみたい”って、言ってよかった)
〇夜・最後の住人として、智貴がルームに入る
室内はほのかな橙色の灯り。香りのディフューザーがゆっくり揺れている。
智貴(静かにソファに腰を下ろし、ぬいぐるみに視線を向ける)
ぬいぐるみ(優しい声)
「今日も一日、おつかれさまでした」
智貴(しばらく黙ってから)
「……君の声も、“無駄”だったかもしれない。
でも、無駄の中に“意味”があるなら――悪くないと思う」
彼は静かに目を閉じる。
〇外・仮設ルームを遠くから眺める瑠璃
瑠璃(モノローグ)
「無茶だって、言われた。無駄だって、思われた。
でも私は、やってみたかった。
それが誰かの記憶に残るなら――
“間違ってなかった”って、思える気がする」
風に髪が揺れ、ふっと小さく笑う瑠璃。
〇エンドカット・夜空に浮かぶ“未来の部屋”のやさしい灯り
タイトルロゴ:
『となりの研究室で、きみと。』
【To be continued...】



