捨てたラブレター

「あの時妹といたのは、和香へのチョコレートを考えるためだったんだ。……あの日のバレンタインは、勇気を出して告白しようって思っていたから」

司が持ってきた鞄の中から何かを取り出す。それは、綺麗にラッピングされたチョコレートマフィンだった。

「和香。あなたのことが好きです。僕と、お付き合いしてくれませんか?」

私の頰を涙が伝う。……なんだ、失恋してなかったじゃん。両想いじゃん。ほっとして、嬉しくて、司が好きで、驚いて。感情がまたぐちゃぐちゃだ。

「……はい!!喜んで!!」

そう私が叫ぶように返事をした直後、ドンドンとドアが叩かれる。二人の肩がびくりと跳ねた。女性の声がドア越しに聞こえる。

「あの、すみません。もう少し静かにしていただけませんか?」

「「あっ、すみません……」」

私と司は同時に謝り、そして笑う。片付けをしたら両想いだと知った。今日は特別な日だ。