すみれの顔が夕陽に照らされて、整った顔がよりはっきりと見える。
いつもちょっと厳しいすみれは、なんだかんだふたりきりのときは優しくて、ちょっぴり甘い。
他の子には甘やかしすぎ、なんて注意しているけれど、すみれだって私に甘いと思う…。
「今日は楽しかったか?」
「うん!すっごく!みんなのおかげ!」
「別に。俺たちのおかげじゃない。桃花が自分の世界だけじゃなくて、周りの世界に目を向けるようになったからだろ」
すみれがゆきみたいなことを言うものだから、私は驚いて目をぱちくりさせてしまった。
「やっぱりすみれは私のこと見ていてくれたんだね」
「そりゃそうだろ、桃花のことが好きなんだから」
「えっ…」
「桃花はいつもひとりでも楽しそうに本を読んでいたけど、今みたいにみんなでいるときのほうが、ずっと楽しそうだ。俺はそんな桃花が見られて嬉しい。……ずっと、心配だったから」
「え……?」
ずっと心配だったって……?
今日はすみれの言葉に驚いてばかりだ。
「仲のいい友達が引っ越して、桃花は学校でいつもひとりだったんだろ?」
「え、なんでそのこと……」
もともと引っこみ思案の私は、陽毬ちゃんだけがお友達だった。
陽毬ちゃんだって、私が本を読んでいたら声をかけてくれたって感じでお友達になったんだ。
「友達が引っ越して、桃花はまた学校の話をしなくなった。本の話は楽しそうにするけれど、学校の話は俺たちにはぜんぜんしなかっただろ?」
そうかもしれない……。
学校での飼育係の仕事は楽しいし、図書室も大好きだ。
だけど、陽毬ちゃんみたいに、気軽に話せるお友達はまだいない。
「だから俺は願ったんだ。桃花が、学校でも楽しく過ごせますようにって」
「え…?」



