園内にある、動植物園だった。
大きな動物はいないけれど、レッサーパンダやカピバラ、カワウソやマイクロブタなんかもいるみたい!
「見て!ミーアキャットもいるよー!」
かわいい動物たちばかりで、私は大興奮。
動物好きの私にとっては、夢のような空間だった。
どうぶつふれあいコーナーでは、モルモットと遊んだりご飯をあげたりした。
「わあ!かわいい!落ち着いて、ゆっくり食べるんだよ~」
私はひざの上のモルモットに声をかけながら、その背中をゆっくりとなでる。
飼育係でいつもやっているから、動物と接するのは慣れてるつもり。
すみれとゆきもこうしてよくなでていたっけ。
今はすっかり男の子の姿に慣れてしまった。
そんなすみれとゆきも、モルモットとふれあい中。
またもふもふのすみれとゆきをなでたいなぁ、と思っていると、そらが私の肩に頭を乗せてきた。
「わっ!どうしたの?そら」
そらが寄りかかってくるのはいつものことだけど…。
「んー、モルモットなでてる桃花見てたら、おれもなでてもらいたくなっちゃった。…だめ?」
いつも元気で快活なそら。
こんなふうに甘えてくるのははじめてかも。
かわいい、かも……。
そらの頭をなでてあげようと手を伸ばしかけると、すみれがそらのあたまをぺちっとたたいた。
「あたっ!?」
「甘えるな」
そらはくちびるをとがらせながら、ぶーぶーと不満を口にする。
「はー?別にちょっとくらいいいじゃんかよー」
「よくない。桃花を困らせるな」
「えー?桃花、困った?」
「あ、いや、そんなことは」
「桃花もそらに甘すぎ。まったく、何度言ったらわかるんだ」
すみれはなにがそんなに不服なのか、またいつものお母さんモードだ。



