そうして私たちがやってきたのは、施設内にある、小さな美術館。
あかねは絵を描くことが好きだから、絵画とかにも興味があるかな?って思って誘ってみたんだ。
どうやらその考えはあっていたみたいで、あかねは目をきらきらさせながら絵の展示を見ている。
「桃花ちゃん!見て!」
あかねはひとつの絵の前で足を止める。
「これ、自分の飼っているうさぎをモデルにして描いた絵なんだって!」
「わあ、かわいいね!」
楽しそうにはしゃぐあかねを見て、わたしはほっとする。
喜んでもらえたみたいでよかった!
「桃花ちゃんとこうして一緒に好きなものが見られて、すごく嬉しい!」
「うん!私もあかねと一緒ですごく楽しいよ!」
美術館だから、あまり大きな声でおしゃべりはできなかったけれど、他のお客さんのじゃまにならない程度に、この絵がきれいとか、好みとか、お互いに感想を言いながら歩いた。
「はー、絵を見ているうちになんだか心が穏やかになった気がする!」
静かな美術館を出た私たちは、またにぎやかなパーク内に戻ってくる。
さっき座っていたベンチへとやってくると、すみれ、ゆき、そらがもう待っていた。
「あ!桃花っ!あかね!どこ行ってたんだよー!」
「ごめんごめん!ジェットコースターどうだった?」
「すげー楽しかったよ!」
「終始そらがうるさくて大変だった」
そらとすみれの感想に、私とあかねは笑う。
「次はどこに行こうか?」
みんなで園内マップを覗きこんで、
「ここ!」
と全員が指を差したのは……。



