目の前をきゃーっと言う悲鳴とともに、ジェットコースターが落下していく。
その下のベンチに腰を下ろした私とあかねは、すみれたちを見送って、乗ることをやめたのだった。
「ごめんね…桃花ちゃん……」
水のペットボトルをぎゅっと抱えたあかねは、すごく申し訳なさそうに頭を下げる。
「ぼく、どうしても怖くて……」
「ぜんぜん!気にしないで!私も正直、すっごく怖かったから。乗らなくてよかったかも」
「ぼく、本当に怖がりで……情けないよね…」
「そんなことないよ!怖いものは怖いもん!それに遊園地は楽しむところなんだから、無理に怖いものに乗る必要なんてないよ!」
私の言葉に、「うん…ありがとう、桃花ちゃん…」と言いつつも、まだあかねは落ちこんでいるみたいだった。
なにかあかねが楽しめそうなものはないかな?
そう思いながら、私は辺りを見回す。
そうしてひとつの建物が目にいった。
「あ!あかね!一緒にあれに行こうよ!」
「え?」
顔を上げたあかねは、嬉しそうに目を輝かせた。



