そうして数週間が経った頃。
「あれ!?もうコンテストの結果出てる!?」
この前はじめて書いた小説を応募したサイトに、そのコンテストの結果発表が掲載されていた。
サイトを開くと『結果発表!!』の文字が大きく目にうつる。
私は思わずごくりとのどを鳴らして、そのページを上から見ていく。
月野 桃花……月野 桃花……。
自分の名前があることを祈りながら、ページをスクロールしていって……。
「なかった……」
私の名前は、サイトのどこにも記載がなかった。
もちろんいきなり大賞や金賞が取れるとは思っていなかったけれど、最終選考にも残らなかったみたい…。
「だめ、だったかぁ……」
はじめて書いた小説、はじめてのコンテスト。
私はなんの結果も残せなかった。
「あ……」
呆然とサイトを見るうち、とある名前に目が止まる。
「陽毬、ちゃん……?」
銀賞の欄に、よく知る大好きなお友達の名前が載っていた。
陽毬ちゃん、やっぱりすごいな。また賞取ったんだ。
この前も賞を取っていたし、もしかしてやっぱり陽毬ちゃんって天才なのかも……。
私とは違う。
私みたいにとろくないし、しっかり者で、自分の夢を決めてそれをさっさと叶えてしまう。
かっこよすぎるよね……。
私は力なく、ベッドに身体をあずけた。
なんだろう、この気持ち……。
この前まであんなに楽しかった小説を書くことが、なんでか急に色あせてしまったみたいな……。
急に頭が重くなってきて、だるさを感じる。
少し、眠ろうかな……。
そう思っていると、コンコン、とノックが聞こえてだれかが私の部屋に入ってきた。
「桃花、夕飯の支度ができたって、お母さんが……。桃花?」
「ゆき……?」
部屋に入ってきたゆきは、私のもとに駆け寄ってくる。



