「すみれ……、ありがとう…」
私の小さなつぶやきに、浅くため息をつくすみれ。
「まったく、桃花は本当に世話が焼ける」
「う…、すみません……」
「桃花のそばには、俺がいてやらなきゃな」
「うえっ!?」
「……?なんだよ?」
「あ、いえ、なにも……」
すみれが急にドキッとするようなこと言うから…。
なんだか顔が火照っている気がする…。
私はすみれの胸に顔をうめながら、学校に戻ることになった。
校庭に帰ってくると、そらにゆき、あかねが駆け寄ってきてくれた。
「桃花!大丈夫か!?」
「桃花、足、怪我した?」
「も、桃花ちゃん遅くて心配したよ…」
「みんなごめんね、ちょっと足を痛めちゃったみたいで……。って、すみれ!もう大丈夫だから!おろしてっ!」
いつまで経っても下ろしてくれないすみれ。
クラス中の注目の的なんですけど……!
うう、恥ずかしいよ……。
「だめだ。このまま保健室まで連れていく」
「ええっ!!」
「すみれ!おれが変わる!保健室までダッシュで連れて行ってやる!」
「それだったら僕でもできるし、すみれとそらは疲れてるでしょう?僕に任せて」
「あ、ぼ、ぼくも一緒に……」
抱えられたままの私を無視して、わーわー言い出してしまう4人。
「は、恥ずかしいので……早くおろして……」
結局すみれが私を抱えたまま、みんなで保健室に行くことになった。



