翌朝。
目覚まし時計が鳴っているにも関わらず、まったく目を覚まさない私。
そこにぺちっと額に衝撃を感じてさすがの私も目を覚ました。
「うう~」
寝ぼけている私に、またぺちぺちとした衝撃。
目を開けるとすみれが私を見下ろしていた。
「すみれ……?」
目覚まし時計を止めて、すみれを抱っこし、私はそのまままた眠りにつこうとする。
すると腕の中のすみれがばたばたと暴れはじめる。
「わわっ!すみれっ!」
目をこすりながら、私は仕方なく起き上がることにした。
すみれは私が二度寝しないか見張っているかのように、じっと私を見つめている。
「おはよう~、すみれ。起こしてくれてありがとう。ちゃんと起き上がるよ」
私は少し寝不足の頭を起こし、パジャマから制服に着替える。
私が洗面台と、朝食を食べるためにキッチンに向かう間も、すみれはずっとついて来ていた。
私が本を読んで夜更かしした次の日の朝は、いつもこんな感じだ。
「あら、すみれちゃん。また桃花の見張り?」
足元をちょこちょこと歩くすみれに、お母さんが話しかける。
「おはよう、お母さん、お父さん」
「おはよう桃花。ゆきちゃんは?」
「まだ寝てると思う~」
ゆきはのんびりとしていてよく寝る子だ。
きっとまだ私のベッドでぬくぬく寝ているはず。
「行ってきます」
お母さんとすみれに見送られ、私は学校へと向かう。



