「つ、疲れたぁ~~……!」
なんだかめまぐるしい一日が過ぎていって、自室に戻った私はそのまま布団に倒れこんだ。
さっきもすみれとゆきと一緒に晩ご飯を食べたけれど、お父さんお母さんはそれが当たり前のことみたいにまったく気にしていなかった。
私は先にお風呂に入って、今はすみれとゆきが入浴中。
「なんだか不思議……」
すみれにゆき、それにそらにあかね。
みんな昨日までもふもふの動物だったのに……。
でも、ひとの姿になっても、やっぱりみんながみんなだってわかる。
「これはこれで、なんだか楽しいかも……」
なんて能天気なことを考えていると、自室のドアがガチャリと開く。
「ちょっとすみれ!女の子の部屋なんだからノックしなくちゃ」
「はぁ?別にいいだろ。俺の部屋でもあるんだから」
お風呂から上がったゆきとすみれが、当然のように私の部屋に入ってくる。
「さ、今日も疲れたし寝るか」
「そうだね、明日も学校があるし」
そう言ってすみれとゆきは私をはさんで、ベッドに横になった。
3人一緒に寝るには、ちょっとベッドがせますぎるというか……。
「…って!すみれ!?ゆき!?ここで一緒に寝るの!?」
私の声に、すみれとゆきは目を丸くする。
あの、目を丸くしたいのは私なんだけれども……。
「当然だろ、いつもそうしているんだから」
「今日は寝る前に本読まないの?毎日楽しみにしてるんだけどな」
すみれとゆきはとくに気にしたようすもない。
いやいやいつも一緒に寝てるって、それはねこの姿のすみれとゆきであって!
こんなにかっこいい男の子になったすみれとゆきと一緒に寝るなんて、緊張して無理だよ……!
そうこう思っている間に、ゆきは机の上にあった本を持ってきて。
すみれはもう寝るようで、私の腰に手を回してすぐに寝息をたてはじめる。
ゆきはともかく、すみれはねこのときでさえぜんぜん甘えてくれなかったはずなのに……!今日にかぎってなぜ……!
毎晩恒例の読書タイムは、まったく集中できなくて読んだ気がしなかった。



