社会の授業では、教科書の音読があって、今度はゆきが先生にあてられていた。
ゆきもすみれに負けず劣らず、堂々と教科書を読み上げる。
その読みかたや声がすごくきれいで、クラス中が聞き入っちゃったくらい。
理科の授業は、実験だった。
理科室に移動して班ごとに実験をするんだけれど、なんと班員はそらとあかねだった。
「おっし!桃花と一緒っ!」
「も、桃花ちゃん…よろしくね」
「うん!よろしくね、ふたりとも!」
実験、といっても、顕微鏡で草花の繊維を見たり、微生物の観察をしたり。
それを各班ごとにレポートにまとめていく。
「えっと…この花の花粉の数は……5個!」
「え…、そんなに少ないかな…?ぼくも見ていい…?」
そらに続いてあかねも顕微鏡をのぞく。
「7個…じゃないかな…」
「いやどう見ても5個じゃね?」
「え、で、でも…」
あわあわするあかねは、私をちらりと見上げる。
目線で私に助けを求めるあかねが可愛らしくて、きゅんとしてしまう。
「私も数えてみるね」
そんな風に3人でわいわいと観察を行った。



