「おい、そら。いつも桃花に触るなって言ってるだろ」
「すみれは本当口うるさいよなー。別にいいだろ、スキンシップくらい」
「よくない。触るな」
「ケチ」
「まあまあ」
すみれと男の子の会話の間に入って、なだめるゆき。
「…ん?あれ?今なんて……?」
すみれの言葉が引っかかり、私は聞き返す。
「だからこいつがべたべた桃花に触るから、」
「その前!」
「?桃花に触るな」
「そのさらに前!」
「おい、そら」
「そら!!!」
「おう!」
そらと呼ばれた男の子は、にかっと爽やかな笑みを浮かべる。
そっか!この人懐っこくじゃれてくる感じ、ラブラドールレトリバーのそらだ!
今朝はいないのかな、って思ってたけど、すみれやゆきと同じように学校に来てたんだ!
どうしてそらまで人間になっちゃったのかはわからないけれど、言われてみればすっごくそらっぽい!
「桃花とおれは、毎朝ハグする仲なのになー?」
「ええっ!」
そらの言葉に、すみれが私に鋭い視線を送ってくる。
すみれは目がつっているから、ちょっとにらまれるとすごく迫力がある…。
「桃花、お前なぁ…」
「ご、誤解だよっ!」
たしかに毎朝そらをなでてから学校に来ていたけれど、ハグする仲、というのはちょっと違うような……。
そらはまた私に抱きついてくる。
「わっ」
「あー、桃花にくっついてると落ち着く~、なんかいい匂いもするし!」
そらにぎゅーっと抱きしめられて、私は身動きが取れなくなる。
それを容赦なく引っぺがすすみれ。
「だからやめろ!」
タイプの違うすみれとそらは、もしかしたら合わないのかもしれない…?



