そうこうしているうちに、階下からお母さんの声が聞こえてくる。
「桃花―!朝ごはんできてるわよー!」
「はっ、はーいっ!!」
私はもちろんまだ混乱していて、けれど登校の時間は迫ってくる。
「と、とりあえず、学校に行かなくちゃっ!」
まだ眠そうなふたりを振りほどいて、私はのそのそとベッドから出る。
すみれとゆきも大きく伸びをしたりして、起きることにしたみたい。
服を脱ごうとパジャマのボタンに手をかけて、私は固まる。
「あ……、えっと、…ちょっと外に出ていてほしんだけど……着替えたくて…」
「は?今更なに言ってんだ?いつも俺達がいても気にせず着替えてるだろ?」
「そ、それはふたりがねこの姿だったからで……!」
さすがに男の子の前で着替えるのは恥ずかしい…!
「ごめんね、桃花。すみれが無神経で」
「は?」
「僕達、先にご飯に行ってるから。ゆっくり着替えておいで」
そうゆき、(でいいんだよね…?)が言ってくれて、ふたりは先にキッチンへ向かった。
ほっとしながら制服に着替えていて、はっと思い当たる。
「待って…男の子の姿のすみれとゆきがキッチンに行ったら、お母さんもお父さんも驚いちゃうんじゃ……」
私はあわてて着替えを済ませ、キッチンに向かう。



