すみれとゆきが、に、人間になってる……。
私は未だに目の前のふたりが信じられず、何度もごしごしと目をこする。
「ふあっ……、昨日も桃花の読書につきあっていたせいで寝不足だな…」
すみれ(?)がその綺麗な切れ長の目に少し涙を浮かべてあくびをする。
「昨日の本もとてもおもしろかったね。僕もついつい世界観にのめりこんじゃったよ」
穏やかにゆき(?)が話す。
「今日くらい、もう少し寝ててもいいだろ」
そう言ったすみれは、私を抱きしめながらまた横になった。
「わわっ!」
すみれに引っ張られて、私もそのままベッドに倒れこむ。
「ああ、こうしてると落ち着くな…、すげー寝られそう…」
すみれは私の首元に顔をうめると、ねこみたいにすり寄ってくる。
「ひゃ、っ」
くすぐったいし恥ずかしいしで、私はゆきに助けをもとめる。
「ゆ、ゆき?た、助けてっ」
しかしゆきはにこりと笑うと。
「ぼーくもっ」
と言って私に抱き着いた。
「ええーーー……!!」
なにこの状況?本当に、どういうことなの??



