一途すぎる上司は、一人でも楽しそうな部下を甘やかしたい

パン屋を出て、近くのベンチに座る。

私は千田さんと目を合わせた。

「千田さん、もう一回告白してくれませんか？」

「！？」

私の突然の申し出に千田さんが驚いている。

しかし私が目を逸らさずにずっと見つめていると、覚悟を決めたようだった。



「内海が好きだ、ずっと前から。付き合って欲しい」



「うん、やっぱりあの時よりずっと嬉しい。……千田さん、私も好きです。というか付き合って欲しいです！」



私はパンの入った袋からホットドッグとサンドイッチを取り出す。

「さっき千田さんがいなかったら私はきっとホットドッグしか買ってなかったです！」

「？？」

「千田さんが半分ずつにすると言ってくれたおかげで両方食べられます。幸せが増えました」

付き合う理由がパンなのはあまりにもしょぼいだろうか。

でも……