一途すぎる上司は、一人でも楽しそうな部下を甘やかしたい

「ごめん、普通に無意識だった。気持ち悪かったよな。これからは気をつける」

私よりも圧倒的に恥ずかしそうにしている千田さんに何も言うことが出来ない。

さっきまであんなに強気にデートに誘っていたのに、今は人間らしくて。

「ふっ」

「内海?」

「いや、可愛いところもあるなぁと」

「おい、からかうな!」

そう言って、バッと顔をあげた千田さんのポケットから何かが落ちる。

メモ帳の切れ端のようだった。


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と殴り書きされている。