一途すぎる上司は、一人でも楽しそうな部下を甘やかしたい

「だって内海さんのことめっちゃ見てるし!」


頭によぎったままの言葉に「そんなことはないだろう」と否定しながら、パッと千田さんのデスクに向けて顔を上げる。



パチッ、と完璧に千田さんと目が合った。



パッと逸らしても遅くて、千田さんが私に近づいてくるのを感じる。

でも、待って。

なんで私の方が気まずくなっているの。

何も悪いことなどしていないし、社内で噂になったら困るのも事実。

ここははっきり言わないと。

私は近づいてきた千田さんを社内で人の来ない階段の踊り場まで呼び出した。