〇 学校・朝(登校時) 柱
まりなは下を向きながら、重い足取りで学校へ向かう。
「もう俺に関わるな」
祐介の言葉が、まだ胸に突き刺さったまま抜けない。 ト書き
(……前世のことを話したら、余計に距離が開いちゃった)
ただ確かめたかっただけなのに、まるで拒絶されるように突き放された。
(私、間違えたのかな……)
どうしても気持ちが重くなる。
「いつも通りにしなきゃ」と思うのに、学校に行くのが少し怖かった。 ト書き
〇 学校・廊下(昼) 柱
まりなは祐介と目を合わせられなかった。
廊下ですれ違っても、彼はまりなを見ようともしない。 ト書き
まりな(心の声)(やっぱり……避けられてる)
沈む気持ちを抱えながらため息をついた、その時——
端帆「おい、まりな!」 セリフ
石垣端帆が明るく手を振りながら近づいてくる。
まりな「……端帆」 セリフ
端帆「元気ないな~。なんかあった?」 セリフ
まりな「べ、別に……」 セリフ
無理に笑顔を作るが、端帆はすぐにまりなの変化を見抜く。
端帆「ふーん……祐介となんかあったな?」 セリフ
まりな「!?」 セリフ
ビクッと反応するまりな。
端帆「ビンゴか。お前ら、やっぱ怪しいよな」 セリフ
まりな「そ、そんなことないって!」 セリフ
慌てるまりなを、端帆は面白がるように見つめる。
端帆「じゃあさ、お前、俺と付き合えば?」 セリフ
まりな「……は?」 セリフ
まりなの思考が止まる。
端帆「ほら、祐介が意識するかもしれないだろ?」 セリフ
まりな「な、何言ってるの!?」 セリフ
あまりに唐突な提案に、まりなは真っ赤になって狼狽える。
端帆「冗談だって。でもさ、もうちょい気楽に考えろよ。好きなやつがそっけねぇなら、こっちから距離詰めりゃいいじゃん」 セリフ
まりな「……好きな、やつ……?」 セリフ
その言葉に、まりなの心臓が跳ねる。
(私、祐介のこと……)
考えれば考えるほど、胸がドキドキして落ち着かなくなる。 ト書き
〇 教室(昼休み) 柱
祐介は窓の外を眺めながら、まりなの方へと視線を向ける。
そこには、端帆と楽しそうに話すまりなの姿。
何かを冗談で言われて、まりなが赤くなっているのが見える。 ト書き
(……何話してんだ)
もやもやとした感情が胸に広がる。
これまで感じたことのない違和感。
それが何なのか分からないまま、気づけば祐介は強く拳を握っていた。 ト書き
(……これが……嫉妬?)
そんなわけない。
そう自分に言い聞かせるのに、目が勝手にまりなを追いかけてしまう。
(アイツ……なんで端帆とそんなに楽しそうなんだよ……)
自分と話すときは、あんな顔しなかったのに。 ト書き
〇 学校・校門前(放課後) 柱
その日の帰り道。
まりなと端帆が一緒に歩いている姿を、遠くから祐介は見ていた。
端帆が冗談めかしてまりなをからかい、まりなが少し困ったように笑っている。 ト書き
(……アイツが、アイツと一緒にいるのは普通なのか?)
自分とは違って、楽しそうに話せるのか?
(……なんなんだよ、これ)
無意識に、拳をギュッと握りしめる。
心の中に、得体の知れない感情が渦巻く。
それは、怒りでも、悲しみでもなく——
ただ、胸の奥が熱くなるような感覚だった。 ト書き
(俺は……何を、考えてるんだ……?)
風が吹く。
まりなと端帆が駅へ向かう背中を見送りながら、祐介は立ち尽くしていた。 ト書き
——次話へ続く——
まりなは下を向きながら、重い足取りで学校へ向かう。
「もう俺に関わるな」
祐介の言葉が、まだ胸に突き刺さったまま抜けない。 ト書き
(……前世のことを話したら、余計に距離が開いちゃった)
ただ確かめたかっただけなのに、まるで拒絶されるように突き放された。
(私、間違えたのかな……)
どうしても気持ちが重くなる。
「いつも通りにしなきゃ」と思うのに、学校に行くのが少し怖かった。 ト書き
〇 学校・廊下(昼) 柱
まりなは祐介と目を合わせられなかった。
廊下ですれ違っても、彼はまりなを見ようともしない。 ト書き
まりな(心の声)(やっぱり……避けられてる)
沈む気持ちを抱えながらため息をついた、その時——
端帆「おい、まりな!」 セリフ
石垣端帆が明るく手を振りながら近づいてくる。
まりな「……端帆」 セリフ
端帆「元気ないな~。なんかあった?」 セリフ
まりな「べ、別に……」 セリフ
無理に笑顔を作るが、端帆はすぐにまりなの変化を見抜く。
端帆「ふーん……祐介となんかあったな?」 セリフ
まりな「!?」 セリフ
ビクッと反応するまりな。
端帆「ビンゴか。お前ら、やっぱ怪しいよな」 セリフ
まりな「そ、そんなことないって!」 セリフ
慌てるまりなを、端帆は面白がるように見つめる。
端帆「じゃあさ、お前、俺と付き合えば?」 セリフ
まりな「……は?」 セリフ
まりなの思考が止まる。
端帆「ほら、祐介が意識するかもしれないだろ?」 セリフ
まりな「な、何言ってるの!?」 セリフ
あまりに唐突な提案に、まりなは真っ赤になって狼狽える。
端帆「冗談だって。でもさ、もうちょい気楽に考えろよ。好きなやつがそっけねぇなら、こっちから距離詰めりゃいいじゃん」 セリフ
まりな「……好きな、やつ……?」 セリフ
その言葉に、まりなの心臓が跳ねる。
(私、祐介のこと……)
考えれば考えるほど、胸がドキドキして落ち着かなくなる。 ト書き
〇 教室(昼休み) 柱
祐介は窓の外を眺めながら、まりなの方へと視線を向ける。
そこには、端帆と楽しそうに話すまりなの姿。
何かを冗談で言われて、まりなが赤くなっているのが見える。 ト書き
(……何話してんだ)
もやもやとした感情が胸に広がる。
これまで感じたことのない違和感。
それが何なのか分からないまま、気づけば祐介は強く拳を握っていた。 ト書き
(……これが……嫉妬?)
そんなわけない。
そう自分に言い聞かせるのに、目が勝手にまりなを追いかけてしまう。
(アイツ……なんで端帆とそんなに楽しそうなんだよ……)
自分と話すときは、あんな顔しなかったのに。 ト書き
〇 学校・校門前(放課後) 柱
その日の帰り道。
まりなと端帆が一緒に歩いている姿を、遠くから祐介は見ていた。
端帆が冗談めかしてまりなをからかい、まりなが少し困ったように笑っている。 ト書き
(……アイツが、アイツと一緒にいるのは普通なのか?)
自分とは違って、楽しそうに話せるのか?
(……なんなんだよ、これ)
無意識に、拳をギュッと握りしめる。
心の中に、得体の知れない感情が渦巻く。
それは、怒りでも、悲しみでもなく——
ただ、胸の奥が熱くなるような感覚だった。 ト書き
(俺は……何を、考えてるんだ……?)
風が吹く。
まりなと端帆が駅へ向かう背中を見送りながら、祐介は立ち尽くしていた。 ト書き
——次話へ続く——


