〇 学校・昇降口(朝) 柱
祐介の腕の中で感じた鼓動が、まだまりなの胸の中で響いていた。
(なんで……あんなに必死だったの?)
祐介は何かを言いかけた。
でも、端帆の声が聞こえた瞬間、彼は何も言わずに去ってしまった。 ト書き
(あのとき、祐介は何を言おうとしてたの……?)
まりなは、彼の背中を思い出しながら、胸の奥がざわつくのを感じた。
〇 学校・教室(昼休み) 柱
まりなは、祐介と顔を合わせるのが少し気まずかった。
昨日のことを考えると、意識してしまう。 ト書き
(でも……ちゃんと話したい)
そう思い、思い切って祐介に近づこうとしたそのとき——
端帆「おい、村井」 セリフ
祐介の肩を掴む端帆。
祐介「……なんだよ」 セリフ
端帆「お前さ、昨日、まりなを抱きしめてたよな?」 セリフ
まりな「っ!?」 セリフ
まりなはその言葉に、思わず心臓が跳ねた。
端帆が言ったのは、まるで“お前、どういうつもりだ?”と言わんばかりの問いかけだった。
祐介「別に……」 セリフ
端帆「別に、じゃねぇだろ」 セリフ
端帆は腕を組み、じっと祐介を睨む。
端帆「お前さ、ホントはまりなのこと——」 セリフ
祐介「……関係ねぇだろ」 セリフ
祐介はそう言い捨てて、立ち去ろうとした。
しかし、まりなは思わず彼の腕を掴んでいた。
まりな「待って、祐介!」 セリフ
祐介「……」 セリフ
まりなは、迷いながらも言葉を紡ぐ。
まりな「昨日、私を守ってくれたのは……なんで?」 セリフ
祐介「……」 セリフ
祐介は何も答えなかった。
その沈黙が、まりなをますます不安にさせた。 ト書き
〇 学校・校門前(放課後) 柱
まりなは、祐介と二人きりになるチャンスを狙っていた。
(もう一度、ちゃんと話したい)
すると、偶然にも祐介が一人で校門を出るのを見かける。
まりな「祐介!」 セリフ
彼の背中に向かって呼びかけた。
彼は立ち止まるが、すぐには振り向かない。 ト書き
まりな「昨日のこと、ちゃんと話したいの」 セリフ
祐介「……話すことなんてねぇ」 セリフ
まりな「そんなの、私が決める!」 セリフ
まりなの声が、夕暮れに響く。
まりな「私ね、分かったの。……前世の記憶なんて関係なくても、私はあなたが好き」 セリフ
祐介「……っ」 セリフ
祐介の目が大きく揺れる。
まりなは、一歩踏み込むように続ける。
まりな「でも……あなたは私のことをどう思ってるの?」 セリフ
祐介「……」 セリフ
祐介は俯く。
答えを出せないような、葛藤するような表情。
(やっぱり、まだ迷ってる……)
そんなとき——
突如、まりなの腕を誰かが引いた。
まりな「えっ——」 セリフ
——ガシャンッ!!
次の瞬間、まりなのすぐ横を、ガラス瓶が割れるような音とともに何かが飛び交った。
まりな「……え?」 セリフ
まりなが驚いて振り向くと、誰かが投げた缶が地面に転がっている。
遠くにいた不良たちがクスクス笑っているのが見えた。 ト書き
祐介「危ねぇだろ、クソガキ……」 セリフ
祐介の声が低く響く。
まりなをとっさに引き寄せた祐介の腕が、強く震えているのが分かる。
まりな「……っ!」 セリフ
彼は、その場でまりなを抱きしめたまま、しばらく動かなかった。
まりなの心臓が、ドクン、と大きく跳ねる。
(また……守ってくれた)
今度こそ、偶然じゃない。
祐介は、確かにまりなを「守ること」を選んだ—— ト書き
まりな「祐介……」 セリフ
そう囁いた瞬間、彼の腕の力がさらに強くなる。
祐介「……お前は、もう俺から離れるな」 セリフ
まりな「……!」 セリフ
まりなの頬が一気に熱くなる。
(今、なんて……?)
祐介はまだまりなを抱きしめたまま、少し震えた声で続ける。
祐介「……俺は、今度こそ……お前を守る」 セリフ
まりなは、胸がいっぱいになり、そっと彼の背中に手を回した。
(……これが、祐介の答え?)
前世の記憶も、過去の拒絶も、今は関係ない。
ただ、彼が今、この瞬間、確かに「まりなを守る」と言ったことが、何よりも嬉しかった。
夕暮れの中、二人の距離は確かに近づいていた——。
——次話へ続く——
祐介の腕の中で感じた鼓動が、まだまりなの胸の中で響いていた。
(なんで……あんなに必死だったの?)
祐介は何かを言いかけた。
でも、端帆の声が聞こえた瞬間、彼は何も言わずに去ってしまった。 ト書き
(あのとき、祐介は何を言おうとしてたの……?)
まりなは、彼の背中を思い出しながら、胸の奥がざわつくのを感じた。
〇 学校・教室(昼休み) 柱
まりなは、祐介と顔を合わせるのが少し気まずかった。
昨日のことを考えると、意識してしまう。 ト書き
(でも……ちゃんと話したい)
そう思い、思い切って祐介に近づこうとしたそのとき——
端帆「おい、村井」 セリフ
祐介の肩を掴む端帆。
祐介「……なんだよ」 セリフ
端帆「お前さ、昨日、まりなを抱きしめてたよな?」 セリフ
まりな「っ!?」 セリフ
まりなはその言葉に、思わず心臓が跳ねた。
端帆が言ったのは、まるで“お前、どういうつもりだ?”と言わんばかりの問いかけだった。
祐介「別に……」 セリフ
端帆「別に、じゃねぇだろ」 セリフ
端帆は腕を組み、じっと祐介を睨む。
端帆「お前さ、ホントはまりなのこと——」 セリフ
祐介「……関係ねぇだろ」 セリフ
祐介はそう言い捨てて、立ち去ろうとした。
しかし、まりなは思わず彼の腕を掴んでいた。
まりな「待って、祐介!」 セリフ
祐介「……」 セリフ
まりなは、迷いながらも言葉を紡ぐ。
まりな「昨日、私を守ってくれたのは……なんで?」 セリフ
祐介「……」 セリフ
祐介は何も答えなかった。
その沈黙が、まりなをますます不安にさせた。 ト書き
〇 学校・校門前(放課後) 柱
まりなは、祐介と二人きりになるチャンスを狙っていた。
(もう一度、ちゃんと話したい)
すると、偶然にも祐介が一人で校門を出るのを見かける。
まりな「祐介!」 セリフ
彼の背中に向かって呼びかけた。
彼は立ち止まるが、すぐには振り向かない。 ト書き
まりな「昨日のこと、ちゃんと話したいの」 セリフ
祐介「……話すことなんてねぇ」 セリフ
まりな「そんなの、私が決める!」 セリフ
まりなの声が、夕暮れに響く。
まりな「私ね、分かったの。……前世の記憶なんて関係なくても、私はあなたが好き」 セリフ
祐介「……っ」 セリフ
祐介の目が大きく揺れる。
まりなは、一歩踏み込むように続ける。
まりな「でも……あなたは私のことをどう思ってるの?」 セリフ
祐介「……」 セリフ
祐介は俯く。
答えを出せないような、葛藤するような表情。
(やっぱり、まだ迷ってる……)
そんなとき——
突如、まりなの腕を誰かが引いた。
まりな「えっ——」 セリフ
——ガシャンッ!!
次の瞬間、まりなのすぐ横を、ガラス瓶が割れるような音とともに何かが飛び交った。
まりな「……え?」 セリフ
まりなが驚いて振り向くと、誰かが投げた缶が地面に転がっている。
遠くにいた不良たちがクスクス笑っているのが見えた。 ト書き
祐介「危ねぇだろ、クソガキ……」 セリフ
祐介の声が低く響く。
まりなをとっさに引き寄せた祐介の腕が、強く震えているのが分かる。
まりな「……っ!」 セリフ
彼は、その場でまりなを抱きしめたまま、しばらく動かなかった。
まりなの心臓が、ドクン、と大きく跳ねる。
(また……守ってくれた)
今度こそ、偶然じゃない。
祐介は、確かにまりなを「守ること」を選んだ—— ト書き
まりな「祐介……」 セリフ
そう囁いた瞬間、彼の腕の力がさらに強くなる。
祐介「……お前は、もう俺から離れるな」 セリフ
まりな「……!」 セリフ
まりなの頬が一気に熱くなる。
(今、なんて……?)
祐介はまだまりなを抱きしめたまま、少し震えた声で続ける。
祐介「……俺は、今度こそ……お前を守る」 セリフ
まりなは、胸がいっぱいになり、そっと彼の背中に手を回した。
(……これが、祐介の答え?)
前世の記憶も、過去の拒絶も、今は関係ない。
ただ、彼が今、この瞬間、確かに「まりなを守る」と言ったことが、何よりも嬉しかった。
夕暮れの中、二人の距離は確かに近づいていた——。
——次話へ続く——


