四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 分かる、かっこいいよねっ……隣にいるのがおこがましいくらい。

 そう心の中で何度も首を縦に振っていると、何も喋らない私を勘違いしたのか伊春君が再び心配そうな声を上げた。

「主様、もしかしてあまり体調が優れないのですか? それなら少し休みましょう、あちらに確かベンチがあったはず――」

「ううん大丈夫っ! ちょっとぼーっとしちゃってただけで、体調が悪いとかじゃないから心配しないで!」

「……本当ですか?」

「本当だよっ! ほら、こんなに元気……――わぁっ!?」

 すっごく眉尻を下げて不安そうにしている伊春君を見ていられなくて、大丈夫だと伝える為にくるっと回ってみせる。

 でもそうした瞬間ちょっとした段差に足が取られてしまい、後ろに倒れかける。

 ……も、痛みは全然感じなくて代わりに温かい体温に包まれた。

「っと、陽依っち大丈夫かぁ? 伊春っちの言う通りガチで体調悪いんじゃねぇの?」

 どうやら夏生君が受け止めてくれたようで、バッグハグされる形で抱きしめられる。

 伊春君みたく今日の夏生君はしっかりコーデを組んでいて、ワックスをつけているのか髪型も少し違う。