四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

「はいはい、お兄さんごめんなぁ? 悪いけどこのアンケート、答えらんねぇから返すわ。大人しく会社に戻って業績報告でもしてろよ〜?」

 強く持っていたはずのバインダーとボールペンがパッと手から離れ、代わりに左手を取られる。

 へっ!?と驚いて成す術もなく腕を引かれるまま小走りでいると、充分距離を取ったところで私の手を取った人が心配そうに振り返った。

「主様っ、大丈夫でしたか!? どこかお怪我はありませんか!?」

「い、伊春君っ……?」

「はい、伊春です。見た感じあの男から危害は……なさそうですが、痛いところはありませんかっ?」

「痛いところは……ない、かな……? た、多分……。」

「そうですか……それなら、本当に良かったです……。」

 心からの息を吐き出すように硬かった表情を崩したのは、一段とかっこいい伊春君。

 シンプルで統一感のある服装は伊春君のスタイルの良さを全面に引き出していて、ハッと息を呑むほどかっこいい。

 周りの人も私と同じ気持ちらしく、「あの男の子めっちゃかっこよくない? モデルかな?」とか「スタイル良すぎ〜っ! あの子すっごいイケメンなんだけど……!」と興奮冷めやらぬ様子で話をしている。