四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

　半ば強引に説明され、目の前の人の良さそうなお兄さんから渡されたのは……アンケート用紙が挟んであるバインダーとボールペン。

　でもよく見ると用紙には個人情報記入欄があって、書く前に手が止まった。

　こ、こういうアンケートって個人情報とか書かなきゃダメだったっけ……？

　少しの不審感を抱いた私は、チラッとお兄さんに視線を向ける。

　お兄さんは相変わらず無害そうな笑顔を浮かべていて、私の視線に気付くと目を細めた。

「どうしました？　何か不明点でも？」

「ふ、不明点と言いますか……個人情報って、書かなきゃダメ、ですか？」

「もちろんです。弊社のさらなる邁進の為、是非ともお願いします！」

　あ、怪しい……勢いに押されて受け取ってしまったけど、突き返したい。

　けど相手の機嫌を損ねて逆上されたら危険だし、この場合どう逃げればっ……。

　不気味なほどに商売スマイルお兄さんへの不信感を高めながら、バインダーをぎゅっと握る。

　も、もういっそ走って逃げようかな……なんて、脳筋な方法を思いついた刹那。