四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 心の中で苦笑いを浮かべながらも、鏡越しにドヤ顔をしている天毬に向き直った。

「なんかもう……何から何までありがとね、天毬。こんなにやってもらえるなんて思ってなかったから、ちょっとびっくりしたけど。」

「そりゃあ記念すべき陽依の初デートだもん! 気合いも入るに決まってるって!」

「は、初デートって……誘ったのは伊春君だけじゃないから、お出かけって言って!」

「……それさっき聞いた時も思ったけどさ、何で桜賀君だけ誘わなかったのさー! ひよって瀬ノ海君たちまで誘うなんて……そこが陽依のいいとこだけど、そういう事じゃないっ!」

 だって……男の子と二人きりでお出かけなんて、私にはハードルが高すぎる。

《どうしましたか、主様?》

『あ……え、っとね、実は遊園地のチケット貰って……よ、良かったら一緒に行きたいなって思って……。』

《……それは、私と二人きりでって事ですか?》

『えっと……そ、そうじゃなくてみんなで! 夏生君たちも誘って、5人で行きたいなぁって話! だから伊春君からみんなにこの事伝えておいてくれないかなっ!? 明日ちゃんと私からも言うから!』