四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 だけどまだ、こういう時に頼ってくれるだけいいほうだ。極限状態になっても頼ってくれなくなったら、終わりだから。



「ふぃー……陽依のおかげでだいぶ冷えたよ。助かりました……。」

「それなら良いんだけど、本当に病院行かなくて大丈夫? 全然連れてくよ?」

「ううん大丈夫っ! この通り元気になったし心配しないで!」

 あれから数十分後、部屋も冷やせたところで天毬が私に頭を下げてきた。

 すっかり体から熱を逃がせた様子の元気な天毬を見て、調子がいいんだから……なんて思う。

「さっきまでダウンしてた人が何言ってるの。そう油断してるから暑さにやられるんだよ?」

「うっ、分かってるけど……でもこの暑さはどうしようもないじゃん! 春だったら誰でも油断するし、まさかこんな気温上がるなんて思わなくない!?」

「そ、それもそっか……私もこの気温のせいで、グラタンに追い回される夢見ちゃったし……。」

「謎な夢すぎない?」

 案の定、私のグラタン発言に分かりやすく眉をひそめる天毬。心なしか、頭の上にはてなが浮かんでいるようにも見える。