四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 私の手中に収まったチケットと私の顔を交互に見つめながら、慈しむように微笑んだおばあさん。

 その笑顔を見ていると流石に断れなくて……私はチケットを受け取った。

 せっかくこう言ってくださったんだもん、しっかり楽しんでこようかな。

「それじゃあ……ありがとうございますっ! めいっぱい楽しんできますね!」

「えぇ、まだまだ若いのだから色んな経験してね。」

「っ、はい……!」

 優しい笑顔のおばあさんなのに、どことなく悲しそうに見えるのはきっと気のせいじゃない。

 自分でもう長くないって口にしてたし……そう考えると、心臓が痛くなる。

 若いのだから、か……。

 ……そうだよね、元気な内に色々やっておいたほうがいいよね。

「ありがとう、ございます……。」

 今日はたくさん、勉強になった。

 そのお礼も含めてもう一度頭を下げると、おばあさんは目を閉じてはにかんだ。



《もしもし陽依〜? どしたの、陽依から連絡してくるなんて珍しいね?》

「うん、ちょっとしたお誘いなんだけど……天毬、来週の連休空いてたら一緒に遊園地行こうよ!」