四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 花公園に広がる色とりどりの花をぼんやり眺めながら、初夏の空気を味わう。

 すると突然、おばあさんが私のほうを向いて話し始めてきた。

「わたしね、幼かった頃からここに来るのが大好きなの。綺麗なお花がいっぱい咲いていて、中心にはずっと昔からある桜が見守ってくれている気がしてね。だから……さっきまでここの植物が枯れていた事を、信じたくなかったの。」

「! それって……」

「でも神様にそんな気持ちが届いたのかしら、つい数秒前にまた美しい姿を見せてくれたの。枯れていたのに一瞬で咲くなんて現実離れしすぎてて、今でも夢なんじゃないかって思っているんだけどね。」

 自虐を交えながらも嬉しそうに話すおばあさんに、心がジーンとする。

 ……そうだよね。私はあんまり自然に興味なかったけど、大好きだって思う人もいる。

 自然を守って何になるのかな、地球温暖化って実際どうなるの。伊春君たちみんなに出会うまで、そう考えていた。

 だけどやっと分かった気がする。どうして温暖化対策が大事なのか、やらなきゃいけないのか。