四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 花公園のベンチに座り込んで、大きな荷物を傍らに置いているおばあさんに声をかける。

 体調が悪いのかと思ったけど、近寄ってきた私に気付いたおばあさんは緩やかにふにゃっとした笑顔を向けてくれた。

「……あら、ごめんなさい。心配かけちゃったかしら? 大丈夫よ、ちょっとぼーっとしていただけだから。」

「そ、そうだったんですね……! てっきり体調が優れないのかと……」

「ふふ、あなたは優しいのね。わたしみたいなおばあさんに声かけてくれるなんて嬉しいわぁ。もし良かったら少しだけ、わたしのお話相手になってくれない? ほらほら、ここに座って。」

「は、はいっ……!」

 断る理由もないし、急いでるわけでもないからちょっとくらいなら……。

 そう思って、ニコニコと上品に笑っているおばあさんに促されるまま私は隣に腰を下ろした。

 ベンチからは時期が過ぎ緑の葉が生い茂っている桜の木がよく見えて、改めてほっこりした気持ちになる。

 この桜を、自分の手で守れて良かったな……。

 ううん、桜だけじゃない。花たちが元に戻って、本当に安心した。