四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

「うんっ、すっごくかっこい……」

 そこで、流れに乗って言いかけた言葉を止めた。

 わ、私っ、さっきナチュラルに『かっこいい』って言っちゃった……っ。

 普段言わない事を言うのって、気付いたらこんなに恥ずかしいの……!?

 今更恥じらいが生まれつい口をもごもごさせると、それを見ていた伊春君は少しだけ目を細めた。

「かっこよくなかったですか?」

「そ、そういうわけじゃないっ、けど……」

「それなら……――陽依、かっこいいって言ってほしいな。」

「〜〜っ、か、っこいい、です……。」

 ……ずるい。

 初めて、伊春君にそう思った。

 完全に外じゃ敬語だって油断してた私も悪いけど……ここでタメにするのは、ずるすぎるよ。

 今度は私が目を逸らして顔を熱くしていると、伊春君は満足した様子でいたずらっ子のように微笑んだ。

「ありがとうございます。主様にそう言っていただけるなんて、私は幸せ者です。」

 こういうところも、全部ずるい。伊春君、本当は自分の顔の良さ分かってやってるんじゃない?って思っちゃう。