四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 左腕には金色のラインが映える紫の腕章をつけていて、あの二人とは違ったかっこよさがあった。

 ちょっとだけ軍服姿の秋君に見惚れてしまったけど、ハッと現実に戻ってきた私は自分の指輪を秋君に見せる。

「秋君っ、フィアスコが弱ってる内に私の力で軸を直さなきゃ!」

 伊春君とした時のように秋君の指輪の装飾を重ねて唱えれば、全部元に戻るはず!

 そう意気込んで秋君に大きな声で伝えたけど、秋君は眉のハの字に下げて倒れているフィアスコに一瞬だけ視線を向けた。

「実は……今回、それはできないのです。」

「へっ? ど、どうしてっ!?」

「倒れているフィアスコを見てください。こやつの額にスペードの紋章が浮かんでいるでしょう? これは俺たち守護者に反映される紋章であり、今回はスペードの紋章持ちである千冬じゃないと……主様も能力を使えないのです。もうすぐで千冬も来ると思うのですが……。」

 の、能力を使うにも条件があるなんて……大変どころの騒ぎじゃないっ!

 伊春君と出会った時は運が良かったからかそんな話もされてなくて、新事実に開いた口が塞がらなくなる。