四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 後輩ちゃんを見ていると、パリパリっと音を立てる手中のスズランに私も悲しくなってしまう。

 それと同時にざわざわと落ち着きない感情が芽生えてきている気がして、少しだけ目を伏せた。

 ……この不安が、杞憂に終わればいいんだけど。



「それでは主様、また明日お会いしましょう。」

「うん、またね伊春君!」

 不安を抱いてからまたまた3日後、異変だと確信する出来事が起こった。

 もう数日で5月に入ろうとしているからか最近の日中は比較的気温が高めで、風が気持ちいいくらい。

 伊春君とは家が逆方向だから、下校は基本一人。

 天毬の部活がない日は一緒に帰ったりするけど、大会が近いらしくここ一週間はずっと忙しそうにしている。

 だけど伊春君と出会ってから数日は、ずっと頭を下げられていたんだ。

『主様に何かあってはいけませんので、私たち守護者に送らせてください。』

 帰る方向が違うし去年も一人で帰ってたから大丈夫、って断ってもあの時は引かなかった。

 ようやく最近になって了承してくれて、送る云々の話はされなくなったけど……今日も不満そうにしてたな、伊春君。