四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 私のたどたどしい言葉に、言葉通りさも当たり前かのように言う伊春君。

 そんな彼の返事に何故か……キュッと、心臓が苦く掴まれた感覚に陥った。

 主様、かぁ……。

 伊春君がこうして隣にいてくれるのは、私が統治者でみんなの“主”だから。隣にいてくれるのが当たり前じゃない。

 ……そう考えると、ちょっと寂しいな。

 それにもし、私じゃなくて他の子が統治者だったとしたら――。

「っ……。」

 嫌、だな……。

 横顔でも綺麗な伊春君をバレない程度にこっそり見つめながら、呟くように思う。

 どうして嫌だなんて思っちゃうんだろう、伊春君とは主と守護者ってだけの関係なのに。

 ……ただ、それだけなのに。



 私がとある異変を目の当たりにしたのは、それから3日後のお話。

 「いってきまーす!」といつものように家を出て、天毬と合流する時だった。

「あれ? あそこの花壇の花って、一昨日咲いたばっかりだよね……?」

 通学路の途中にある通称花公園と呼ばれるほど花壇と花がある公園を、毎日横目で見ながら毎日登校している。