四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 ……私、最近変だ。伊春君を見るとやたらドキドキしちゃって、目を逸らしたくなっちゃうんだもん。

 伊春君がイケメンすぎるからってのもあると思うけど……このドキドキは、それだけじゃない気がして。

 恥ずかしくてくすぐったくて……ふわふわした言い表せない気持ちになる。

 この気持ちは、一体何だって言うんだろう……?

 そう疑問を抱いて唇を引き締めたその時、ハッとある事に気付いた。

 ……伊春君、さりげなく車道側歩いてくれてる?

 さっきの横断歩道を渡ってそのまま歩くと私のほうが車道側になるはずなのに、伊春君が車道側にいる。

 も、もしかしたら自意識過剰かもしれないけどっ……!

 なんて悶々と思考を巡らせていると、不思議そうな伊春君の尋ねが鼓膜を揺らした。

「主様、難しい顔をされてどうかされましたか? 何か悩み事でも?」

「う、ううん! 悩みとかそういうわけじゃなくって……私の気のせいならごめんなんだけど、伊春君ナチュラルに車道側歩いてくれてて、すごいなって思って……」

「なるほど、そういう事ですか。主様をお守りする為に当然の事をしているまでですよ。」