四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 その時だった、ポケットに入れていたスマホが軽快な着信音を鳴らしたのは。

 相手は私の友達である日登天毬(にっとてまり)で、何だろう?と不思議に思いながら電話に出る。

 直後、スマホの向こう側から聞こえたのは今にも死にそうな天毬の声だった。

《あ……陽依、助けて……暑すぎて死ぬ……》

「え!? て、天毬!? 大丈夫!?」

《……ヤバいわ、これ。マジで死ぬ……》

「天毬っ!」

 冗談じゃなくピンチな天毬に呼びかけるも、いつものはつらつとした声で返事される事はなく。

 直感で早く行かなきゃ!という使命感に駆られ、私は財布と帽子を持ってお母さんに叫んだ。

「ちょっと今から天毬のとこ行ってくる! このままじゃ天毬が死んじゃうから!」

「陽依!? それってどういう……って、もう行っちゃったか。」

 お母さんの返事も碌に聞かず家を飛び出し、天毬の住むアパートへ向かう。

 外はお父さんの零していたように尋常じゃないほど暑く、去年の夏よりも暑いんじゃない?と錯覚してしまうほど。