四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 そんなに心配しなくても、本当に平気なのに。

 なんて言葉は体の奥に仕舞って、しょぼんとしている彼を見つめて別の言葉を口にした。

「伊春君、今日一日ずっと言いたかった事なんだけど……その、主様って呼び方は変な誤解が生まれそうだから控えてほしくて。夏生君みたいに陽依って呼んで! 敬語も、同い年って設定らしいしないほうが嬉しいっ。」

「ですが……主様にそんな無礼な事できません。」

「その主様が良いって言ってるんだよ? 私、もっと伊春君と仲良くなりたいし……お願いっ!」

 両手を合わせて「この通り!」と強めにお願いする。

 伊春君は頑固そうだから説得は難しそう……なんて偏見を抱きながら、伊春君の百面相を見つめる。

 主様が言ってるけど、でもそんな事……いかにもそう言いそうな表情の伊春君に、またもや頬が綻ぶ。

 そこまで悩まなくてもいいんだけどなぁ、真面目というか誠実というか。

 だけどせっかく同い年という扱いなら、もっと気軽に話したい。そのほうが私も過剰に気負いすぎなくていいしっ。