四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 なんておちゃらけて思ってみるも、あれ……?と伊春君を見つめる。

 するとまるで自分のことのように悲しそうな表情の伊春君が視界に入って、ある1つの可能性が浮かんできた。

 ……もしかして伊春君、心配してここまで連れてきてくれたのかな。

 本当にただ単に人が多いところが苦手だったからかもしれないけど、そうだったら……伊春君はすごいな。

「体調は全然大丈夫っ、むしろ元気なほう! それに私ね、あんまり体調崩す事ないから心配しなくても大丈夫だよ!」

 伊春君の不安定な表情を崩したくて、ニコッと微笑みかける。

 そして『だけど、心配してくれてありがとう。』と言おうとしたら。

「……主様は私の大事な主様なので、いつ何時でも心配はさせてください。主様は思われるところがあるかもしれないですが……心配しなくても、なんて言わないでほしいです。」

「伊春君……。」

 あぁ、この人はどこまで優しいのかな。心配かけたくなくて言ったのに、より不安にさせてしまった気がしてならない。

 春の穏やかな陽気のように優しさを振りまく彼に、ふふっと頬が緩む。