四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

　先生が閉じている扉に声をかけると、ほんの少しだけ間が開いてからゆっくり丁寧に扉が開かれた。

　そこから入ってきたのは……グレーのブレザーに黒のベストを合わせてスラックスをかっこよく着こなしている、伊春君だった。

　見覚えのある顔に分かっていても「あっ！」と声を上げそうになって、慌てて手で口を押さえる。

　だけど私以外はやっぱりというか伊春君に目を奪われていて、惚けている女の子が続出していた。

「めっちゃイケメン来た……！　やば、かっこよすぎ！」

「目の保養すぎる〜っ、学校やだけど頑張れそうな気がしてきた……。」

「……他の転校生もこんな桁違いのイケメンなら、俺にモテ期は一生来ないかもしれねぇ。」　

　反対に男の子のほとんどは落胆していて、いかに伊春君がイケメンなのか改めて理解した。

　人間離れしているなんて言葉はよく聞くけど、伊春君たちは本当に人間じゃないからこんなにかっこいいのかも。

「転校生君、自己紹介を頼めるかな？」

「分かりました。……私は桜賀伊春と申します、以後お見知りおきを。」