四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 今年は天毬とクラス離れちゃったし、天毬以外に親しい人もいないから困った。

 始業式も終わってバタバタしている新担任を待っている間、ぐるっと教室を見回してみる。

 ちらほら知っている顔はいるけど、既に友達がいるのかほとんどの人が楽しそうに談笑していた。

 無理に友達を作るつもりもないんだけど……やっぱり天毬がいないと心細いな。隣のクラスですぐ会えるとはいえ、寂しいものは寂しい。

 廊下寄りではあるもののほぼ真ん中の席で頬杖をつきながら、やる事もなくぼけーっと蛍光灯を眺める。

「おー、みんな新学期から元気そうだね。見た感じ全員出席みたいだし、先生素晴らしい一年になりそうな気がするよ!」

 すると陽気な声色と共に教室に入ってきたのは、さっきの着任式で担任だと発表された別の学校から来た先生。

 若い先生だけどしっかりしていそうで、後ろの席の女の子たちが先生を見ながらこそこそ話していた。

「あの先生かっこよくないっ?」

「分かる〜っ! しかも若い先生が赴任してくるなんて新鮮だから、ちょっとドキドキしちゃうよね。」