四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 ちなみにあの時貰った指輪は何故か外れなくて、未だ右手の人差し指に嵌まっている。

 指が太いせい?と思って悲しくなったけど、伊春君曰くこれでいいんだそう。

『呪文を唱えれば外す事はできるのですが、それでは何かあった時早急に対処できませんので、どうかそのままでいてください。』

 それを聞いた時、確かにと納得した。この前のフィアスコも唐突に現れたから、いつどこで起きても大丈夫なようにしておくのは大事なんだろう。

 でも学校で指輪をつけてる事がバレたらどうすればいいんだろう……なんて、素朴な疑問が脳裏に浮かぶ。

 外せ!と言われても呪文を知らない私にはどうする事もできないし、その時は伊春君か誰かに泣きつくしかない。

 だから私は学校に着く間、天毬にも手元を見られないようずっと後ろで手を組んでいた。



 ふぅ……始業式ってやたら長いからちょっと疲れたな……。

 あの後何事もなく学校に到着し、新学期の恒例である長く退屈な始業式も終えた。

 今日から自分の教室になる2年B組の教室に入って出席順の席に座ると、人知れず深く息を吐き出した。