四季の守護者たちはとびきりに溺愛したがり。

 だから反射的に両手でガードして天毬を止め、春休み前にも伝えた事をまた口にした。

 でも天毬は全く反省してない様子で、お茶目に小さく舌を出している。

 あの酷暑の時はダウンしまくって随分大人しかったのに、まるで別人だ。

 私の隣で元気よく伸びをしている天毬をジトッと見つめて、心の中で溜め息を吐く。

 そんな私に天毬は思い出したように、突然「ねぇねぇ陽依。」と声をかけてきた。

「この前はほんとありがとね、陽依が来てくれなかったらあたし死んでたと思う。」

「ううん、あれだけの暑さならああもなるよ。気にしないで。」

「けど、何で急にあんな気温上がったんだろーね? 一日でこうも上がったり下がったりするもんなのかなぁ?」

 天毬の純粋な疑問に、全容を知っている私は思わず立ち止まりそうになる。

 私だって伊春君たちと出会わなければ、何も知らないまま首を傾げているだけだったと思う。

 原因はもう知ってしまっているけど、天毬にありのままを話しても信じてもらえず「また変な夢でも見たの?」と言われかねない。